Windows 7 SP1 クリーンインストール直後の Windows Update

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2020.06.01: SHA-2署名の制限が徐々に厳しくなっている旨を臨時追記

2019.08.16: SHA-2対応後にクリーンインストール実施、結果を臨時追記。
2019.06.30: 2019年7月以降の問題を追記(削除済み)
2018.10.10: KB3177467 が更新されたため臨時追記
2018.01.14: 全面改訂。新しい手順を公開
2017.08.09: このページの手順は非推奨である旨を追記。
2017.06.29~30: このページの手順は不要であることを確認・追記。
2016.09.17: 初出/※2016~2017年分の細かな追記・修正記録は削除


Windows 7 SP1 をクリーンインストールした直後の Windows Updateは、どのような手順で実行したら効率が良いのか?どのKBを先入れすると時間が短縮できるのか?を検証した結果を記録したページです。

※ 本格的な最終検証日は2018年1月。それ以降は情報追記のみ。
※ 2019年8月にSHA-2対応後の挙動のみ検証
※ 2020年6月追記分は情報のみ。手元の環境では未検証。

2020.06.01 追記

SHA-2 署名による制限は、徐々に厳しくなってきています。
  • 各種デバイスのドライバも、SHA-2 署名一本化に対応が始まっています。
    Windows 7 にて、NVIDIAドライバのインストールにSHA-2 署名が必須に
  • 今後、以下のような状況が発生すると思われます。
    • KB4474419 と KB4490628 をインストールしなければ、一部の最新ドライバがインストールできなくなる。
    • 逆に、KB4474419 と KB4490628 をインストールすると、古いドライバの一部が正常動作しなくなる。
  • ※補足:
    • KB4474419 と KB4490628は、2019年3月に配布。
      2019年8月には、更新プログラムの署名から SHA-1 が廃止され、SHA-2 に一本化された。
  • 今後は、利用するデバイスやPC構成などにより、KB4474419 と KB4490628 は入れない、もしくはドライバの署名強制を無効化する、等の手段が必要になってきます。

※2019.08.16 臨時追記

2019年8月、Windows 向けの更新プログラムの署名から SHA-1 が廃止され、SHA-2 に一本化されました。

  • Windows 7 SP1 で SHA-2 を有効にするには、以下2つが必要です。
    • KB4474419
    • 最新のサービススタック更新プログラム (SSU)
      ※2019年8月時点ではKB4490628
  • 2019年8月時点では、「設定の変更」を「更新プログラムを確認しない」に設定していると、KB4490628 は配信されないようになっていると思われます (手動ダウンロード&インストールが必要)
  • 「サービススタック更新プログラム」を更新しなかった場合、2019年8月以降の更新プログラムは適用できません。
    ※ 2019年7月分までの更新プログラムは適用できる。
  • 2019.08.18 追記
    2019年7月分の品質ロールアップ および/または KB3133977 (2016年3~5月リリース) を適用していない状態で 2019年8月分の品質ロールアップを適用すると、環境によってはPCが起動しなくなるので注意 (2019年9月以降も発生するのかは不明)

上記および「2018.10.10 追記分」に気を付けていれば、Windows7 SP1のクリイン直後のWindows Update はスムーズに進むと思われます。


※2018.10.10 臨時追記

2018年9月以降、最新の品質ロールアップを最初に先入れするのは非推奨。また、2018年10月に新しい KB3177467 がリリースされ、品質ロールアップの前提条件となっています。
※先入れしたい場合は .NET Framework 4.6 のみにしておくのが無難

2018.01.14 全面改訂しました

久々に Windows7「クリーンインストール直後の状態」から Windows Updateを行ってみた所、2016年頃と比べてかなり勝手が異なっていました。。。という事で、当時作成したこのページの、古くなった情報を更新しておきます。

※参考資料
2016年9月~2017年6月頃の手順はこちら

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はじめに

何度かテストを繰り返しましたが、2014年~2016年前半のような「更新プログラムを小分けしなければ Windows Update が失敗を繰り返す」なんて問題はほぼ発生しないと思われます。特定KBの先入れとかあまり気にしなくてもOKと判断しました。

Windows Update エージェント が更新される
▲クリックで拡大
Windows7クリーンインストール後、ネットにつないだ状態で Windows Update の設定を行うとこの画面が出る。「今すぐインストール」を選ぶと Windows Update エージェント が更新されバージョン 7.6.7600.320 になる。
現在はこの状態からスムーズに更新プログラムを適用できる。

手順の概要

Windows 7 SP1クリーンインストール直後、何らかの更新プログラムを先入れして少しでも Windows Update にかかる時間を短縮したい場合、以下を頭に入れておきます。

個人的におすすめの手順

  • 先入れは.NET Framework 4.6 だけで十分だと思った。
    わずかな手間で 約30個の更新プログラムをスキップ、15分ほど時間短縮できる
    • あとは全部 Windows Update にお任せした方よい。以下で紹介する他の先入れKBを使う場合よりも、多少 (20~30分ほど) 時間が長くなるが、PCの前でぼんやり待つ時間が圧倒的に少なくなる。
    • 今回は .NET Framework 4.7の先入れ未検証(記事内に補足あり)

更新する時のチェックポイント

  • 初回の重要 約120個、オプション 90~60個の更新が終わった後がポイント。
    このタイミングで「最新の品質ロールアップ」1個だけ更新を行うとスムーズにWindows Updateが進む。(Windows Update/手動 どちらでもよい)
  • PC起動後、5分くらい待ってから更新すると失敗は発生しにくい。
    ※PC起動直後にWindows Updateを開始するとエラーが発生し失敗しやすい。
  • 以前先入れが有効だったものについて
    • IE11先入れは不要。以前のように「不要な IE8 の更新プログラムが大量にインストールされる」事はもうない。
    • KB3125574 (convenience rollup)は微妙。
      作業時間を含めても20分ほど時間短縮できるが、手間も増えるしPC再起動の数も多くなり、PCの前で待つ時間が圧倒的に増える
    • 最新のマンスリー品質ロールアップ 先入れも微妙
      僅かな手間で時間短縮できるが、初回の重要 約120個、オプション 90~60個の更新が終わった後でWindows Updateにエラーが出やすくなり、かえって時間がかかる事も。

上記のように、ほとんど先入れを行わず普通にWindows Updateする場合、注意するべき点はほとんどありませんでした。しかし、以前のように特定のKBを先入れしようとした場合、注意すべき点が多々ありました。

先入れを行いたい場合

  1. 最新の「マンスリー品質ロールアップ」を先入れしたい場合
    • KB3177467は先入れ不要。
      不要というか、KB3177467 は1回目の更新 (重要120個) の後に入れる。先入れしちゃダメ (自動更新にまかせる)
    • Windows Update エージェントは 7.6.7600.320 (windowsupdateagent-7.6-x64.exe)で十分
    • 以前有効だった KB3138612、KB3050265、KB3020369 なども不要。入れちゃダメ。
  2. KB3125574 (convenience rollup) を先入れしたい場合
    • KB3177467は先入れ必須。
      KB3177467 はKB3125574 の前提条件
  3. 以下の条件が揃うときは注意
    • はじめにKB3177467を先入れする、KB3125574は先入れしない
    • KB3177467の後にKB3125574を入れず、最新のマンスリー品質ロールアップを先入れする
    Windows Update する前に上の条件が揃うと、最悪の場合 Windows Update後に PCが起動しなくなるケースがありました (復旧方法や詳細はページ後半)
  4. IE11 や NET Framework の先入れについて
    • IE11 の先入れは、時間短縮の効果はほとんど無い。
    • .NET Framework 4.6 の先入れは、多少は時間短縮の効果がある。
    • .NET Framework 4.7 は、クリーンインストール直後の Windows 7 SP1にはインストールできない。
      • .NET Framework 4.7のWPF機能は、D3DCompiler_47.dllに依存する。 既定では、このD3DCompiler_47.dllはWindows 7 SP1、Windows Server 2008 R2 SP1、またはWindows Server 2012に存在しない。
      • D3DCompiler_47.dll は KB4019990 に入っている。
      • 多分、初回の重要な更新を全部入れた後なら.NET Framework 4.7 もインストール可能になる。
  5. 更新の進み具合
    更新プログラムの適用は、5~6回に小分けされて行われます。
    • 1回目・・・・約120個の重要な更新 → 再起動あり
      (何か先入れした場合、個数は変化する)
    • 2回目・・・・いくつか重要が残るので更新
      • .NET Framework 4.6を先入れしていない場合、ここで 3.5.1の更新22~3個が残り、別途更新が必要なケースがある → 再起動あり
      • 重要が1個だけ残る場合あり → 更新する、再起動なし
        (3~4個残って再起動あり、なパターンもあり)
    • 3回目・・・・オプション90個 → 再起動あり
    • 4回目・・・・重要4~5個、オプション4個
      ※更新失敗 (エラー80070308 / C80003FA) が発生しやすいポイント
      重要な更新から (最新の品質ロールアップ1個のみ) を手動で選択して更新する →再起動 (ダウンロードした品質ロールアップを使ってもOK)
    • 5回目・・・・重要3~4個、オプション4個
      残った重要のみを更新 → 再起動
    • 6回目・・・・残ったオプションを更新 → 再起動
  6. 先入れで短縮できる時間
    • 先入れなしの場合・・・・初回更新(125~127個) 約70分
    • KB3125574 ・・・・初回更新を約50分短縮できるが KB3125574 のダウンロードや先入れに30分かかる(実質20分短縮)
    • IE11 の先入れ ・・・・約5分ほど短縮
    • NET Framework 4.6 の先入れ ・・・・1回目の更新で時間短縮なし。2回目以降の更新が15分ほど短縮 (3.5.1の更新が減る)
    • 初回 Windows Update から最新の状態まで、3時間強。
      • 2016年にテストした時は、手順に慣れると1時間半を切る事ができていた。
      • 今回は、手順に慣れたとしても2時間切る事は難しいだろうと思った。
        ※以前に比べダウンロードに時間がかかった。回線が混雑してきた、手元の通信機器が劣化して来た、などの要因もあるかもしれない。

1. ~ 4. のルールを守れば、あとは好きなようにWindows Updateすれば良いかと思います。そして今回も、「一部KBの先入れ」は手間がかかる割にあまり時間短縮できないと思いました。(PCの前に貼り付いて作業しないと余計に時間がかかる)

先入れ用のKBリスト/ダウンロードリンク

KB3177467 + 最新のマンスリー品質ロールアップ で更新した場合

必ず発生する、という訳ではありませんが、クリーンインストール直後の状態から最新のマンスリー品質ロールアップを入れる前に KB3177467 を入れると、その後のWindows Update に失敗し、PCが起動しなくなるケースがありました。

手元のPCでこの問題が発生した時のメモ

  • パターン1
    更新に失敗 → PCが起動しなくなる → スタートアップ修復では修復不可能 → システムの復元 → PC起動するも「更新プログラムの状態: 保留中」が消えなくなる
  • パターン2
    更新に失敗 → PCが起動しなくなる → システムの復元 → 復元に失敗、一般的な解決方法ではPCが起動しない
  • またこの時、システムの復元に1時間以上かかる
  • 解決策 (パターン1 / パターン2 共通)
    システム修復Diskで起動し、Pending.xml の削除 が必要だった

このページのメインとなる情報は以上です。
上記の情報があれば、クリーンインストール直後の Windows 7 SP1 の Windows Update で特に失敗する事は無いかと思います。

この続きは別ページで

かなり長くなって来たので、続きは別ページとして掲載します。
Windows 7 SP1 クリーンインストール直後の Windows Update(後半)
上記ページでは、手元のPCで Windows 7 SP1 クリーンインストールから最新の状態まで更新した時のメモをスクリーンショットを交えて掲載しています。色々と参考になる所もあるかと思います。


おまけ

今回、品質ロールアップ先入れにKB3177467 が不要と気が付いたのは、以下のページを読んだことがキッカケでした。
(2018年1月10日公開記事なのに、早くもリンク切れ)
https://blogs.technet.microsoft.com/askcorejp/2018/01/10/cpu-%E3%81%AE%E8%84%86%E5%BC%B1%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%EF%BC%88meltdownspectre%EF%BC%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

いつからこうなっているのか?

  • 「更新の確認に数時間かかる」という問題は、2017年6月頃に解消している
  • 現在の Windows Update Client のバージョンは7.6.7601.23806。
  • これは、2017年 6月第2週配布の KB4022719 から現在まで同じ。
    ファイルの更新日時は2017年5月11日。

こうやって考えてみると、「更新の確認に数時間かかる問題」が解決した 2017年6月頃から、既に今の仕様になっていたと思われます。